Vol.1 顧客主導型市場の到来 E
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![]() ![]() ![]() 顧客主導型市場の到来に伴い、企業のマーケティングやセールス活動に起こっている大きな変化について、前回からお話ししてきました。 サプライヤー主導の市場においては、顧客をひとつの大きな塊(“マス”)として捉えて、最大公約数を狙った商品展開やマーケティングを行うという考え方でした。しかし、インターネットやウェブ・テクノロジーの恩恵で、多様化するニーズに対応できるようになった今日、顧客についてより深く理解し、ターゲットを絞った商品/店舗展開、あるいはマーケティングを行うことが必要不可欠になってきています。 前回でも触れたように、すべての顧客に均一のカタログを送りつける、というやり方は、時代遅れなものになってきています。全取扱商品を掲載した「総合カタログ」の他に、商品カテゴリー別、または顧客業種別に編さんしたミニ・カタログを設けたり、過去の購買データに基づいたカスタム・クーポンを挿入したり、などといった戦術がどんどん主流化しています。 従来、「マス流通チャネル」であると考えられていた業者でも、ターゲットを絞ったアプローチに着手しているところもあります。アメリカのナンバー・ワン家電リテーラー、ベスト・バイでは、2004年以来、その名も、「Customer Centricity(顧客主導主義)」というイニシアチブのもと、店舗の大改造を行っています。これは、各店舗が所在する地域のデモグラフィックと、購買データを掛け合わせて、最も利益性/成長潜在性の高い顧客について5つの「Persona(ペルソナ)」を定義し、各ペルソナのニーズに合わせて店舗のリデザインを行うというものです。 例えば、「主に郊外に住み、子供のためにエンターテイメント/テクノロジー商品を購入する母親」は“ジル”という名前で呼ばれるペルソナです。“ジル”のためにデザインされた店舗には、“ジル”の習性を心得たセールス担当員が待機しており、“ジル”のプロファイルに合致した顧客を見分けてアプローチをかけます。このように、顧客層によって商品構成や店舗レイアウトを変えるだけではなく、サービスやセールス・プロセスの面でも、ターゲット・フォーカスなアプローチが導入されているというのが、このプログラムのユニークな点です。 このように、アメリカでは、店舗、カタログ、ウェブなどというマルチ・チャネルな観点から、より深く顧客を知り、個客のニーズにより適確に応える方法が模索され、日々新しい試みが行われています。 ![]()
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