#3: 新たな変革を遂げるアメリカのオフィス・サプライ業界
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![]() アメリカのオフィス・サプライ業界は日本に比べて5年〜10年くらい進んでいるといわれ、その市場規模は1,200億から2,400億ドル(12兆円から24兆円)と推定されています。12兆円というのは従来型の文具のみを考慮した市場規模で、オフィス家具やIT関連商品を入れると24兆円規模となります。 ![]() アメリカでは、1980年代後半にStaples(ステープルズ)、Office Depot(オフィス・ディポ)、Office Max(オフィス・マックス)の三大スーパーストアが台頭し、業界の構図を大きく変えました。スーパーストアは倉庫型の巨大店舗の形態をとり中間業者をバイパスして製造業者から直接商品を仕入れることによって、独立系文具店が当時提供していた価格の40〜50%という破格商品を販売することを可能にしました。この“価格破壊”に打撃を受け、当時2〜3万軒あった“町の文具屋さん”は根こそぎ淘汰され約10年間で10分の1の3,000軒程度に激減してしまったのです。また、独立系文具店を主な顧客としていたホールセーラーも80年中頃に500社ほどあったものが、淘汰に次ぐ淘汰の果てに今日ではUnited StationersとS.P. Richardsの2社を残すのみとなっています。 ![]() 同様な変化が日本においても起こり始めているのは周知の事実です。先日の日経の記事は、1979年に2万6,000軒あった日本国内の独立系文具店は2002年には1万軒まで減少したと報じています。こうした日本のオフィス・サプライ業界の状況を見てみると、アメリカの業界変遷の経緯と非常に良く似ていることがわかります。おもしろいことに、アメリカのオフィス・サプライ業界はスーパーストアの台頭を引き金として大きく変革したわけですが、スーパーストアという業態をつくりあげた人たちはいずれもオフィス・サプライ業界の出身者ではなく、当時、オフィス・サプライ業界よりずっと進んでいた食品業界やホームファッション業界の人たちでした。彼らが各々の業界の成功要因をオフィス・サプライ業界に移植し、成功を収めたというのは皮肉なことです。こういったアメリカの業界変遷や革新的なアメリカのビジネス・モデルやプロセスから学ぶことはこれからの日本の流通を読み解く上で重要な鍵となっていくと思います。 関連ブログはこちらです。 『返品無用?アメリカのオフィス・サプライ事情』 ![]()
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