#2: アメリカで急拡大するギフト・カード市場
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![]() ギフト・カードというものは、日本ではまだあまり浸透していないようですが、実は、ここアメリカでもたった10年ほど前にお目見えしたばかりで、つい最近になりようやく定着してきたものなのです。1990年代中頃に大手ビデオ・レンタル・チェーンのBlockbuster(ブロックバスター)や大手バリュー・リテーラーのKmart(ケーマート)が、ペーパーの商品券の代わりに電子的にプロセスできるプラスティックのカードを導入したのがギフト・カードの始まりですが、今では多くのリテーラーでこの仕組みが導入されており、 ![]() さらに航空会社のSouthwest Airline(サウスウェスト航空)までもがギフト・カードを発行し、スーパーやドラッグ・ストアの店先を賑わせています。このように、スーパーやドラッグ・ストアなどのリテーラーが、ごく一般の商品を扱うのとまったく同様に、他社リテーラーのギフト・カードを販売しているというのもギフト・カードの面白いところで、最近ではショッピング・モールにギフト・カードを専門に取り扱うキオスクなんかも登場しています。こういった状況を見てもアメリカでのギフト・カードへの需要の高さがうかがえます。 ギフト・カードの発行がリテーラーにもたらすメリットのひとつに、ギフト・カードの利用に伴う便乗消費の促進があります。ギフト・カードを利用する消費者はカード・バリュー以上の買い物をする傾向にあり、カード・バリュー以上の収入をリテーラーにもたらしてくれます。アメリカのバリュー・リテーラー、Target(ターゲット)独自の調査によると、ギフト・カードを利用した買い物の平均総額は43ドル。そのうち、カードでカバーされるものが27ドルとすると、顧客が自腹を切って払う分が16ドルと、カード・バリュー以上の買い物をするのは当たり前となっているようです。 また、ギフト・カードは受け取る側と贈る側両方にとって非常に便利です。受け取る側は商品を自由にセレクトできるというメリットがありますし、贈る側にとっては、ギフトの受取人に何をあげたらいいか分からない場合にギフト・カードがとても役立ちます。アメリカでは、特にクリスマス・シーズンには、お世話になっている人にもプチ・ギフトをあげるという習慣があります。こういう人へのギフト選びは大変なものですが、こういったケースにもギフト・カードは重宝されています。 さらに、これは本来のギフト・カードによる効果とは別のものですが、未使用カードによる収入というのもリテーラーにとっては大きいようです。2006年、ギフト・カードのBreakage(期限切れ、紛失などで使われなかったギフト・カードの残高合計)は年間売上の6%にあたる48億ドル(4,800億円)になるといわれ、家電大手リテーラーのBest Buy(ベストバイ)は2年以上使われていないギフト・カードによる売上を4,300万ドル(43億円)計上し、Victoria Secret’s(ビクトリアズ・シークレット)などのブランドを持つLimited(リミテッド)も2005年に未使用ギフト・カードからの売上を3,000億ドル(30億円)計上しています。 最近では子供向けのギフト・カードもでてきたり、ギフト・カードに特化したオンライン・オークションサイトも数多く誕生するなど、アメリカのギフト・カード市場はますます広がりを見せています。Wal-Mart(ウォルマート)やMacy’s(メーシーズ)では、カードの表面に贈り手が好きな写真をアップロードして、ギフト・カードをカスタマイズできるなどといったサービスも始めていますし、今後、アメリカのギフト・カード市場はますますおもしろくなっていきそうです。アメリカでの浸透状況や社会一般の“ペーパーレス化”の動向をみると、ギフト・カードが日本に定着する日もそう遠くないかもしれません。 関連ブログはこちらです。 『ギフトカードが熱い!アメリカのホリデー商戦』 『バースデー・ギフト・カード』 ![]()
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