#16: 靴のオンライン販売市場
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![]() アメリカでの靴のネット販売のパイオニアといえばZappos.com(ザッポス・ドット・コム)。ザッポス・ドット・コムは1999年に設立されたネット靴販売専門業者で、ブーツからパンプス、アスレチック・シューズに至るまで幅広い品揃えを展開しています。 ![]() ザッポス・ドット・コムの競争優位のポイントは、まず、第一に、靴を買う人に安心感を与えるサービス・ポリシーを整えたこと。消費者にとってオンラインでのシューズ選びは非常に困難です。メーカーによって微妙にサイズが異なりますし、実際に合うかどうかは試してければわからないというのが現状です。そんな消費者の悩みを解決すべく、ザッポス・ドット・コムは翌日配送無料、そして、返品送料も完全無料化することで、オンラインでも気軽に靴を購入できるような仕組みを整えました。 第二に、オンライン店舗ならではの特性を活かし、数、ブランド、種類とともに広範な商品を取り揃えたこと。実店舗では商品数に限りがあり、欲しいものが見つからないというのも消費者が抱える問題のひとつです。ザッポス・ドット・コムは約950ブランド、320万アイテムを在庫し、ビジネス・シューズからランニング・シューズまで幅広いオケージョンに対応する多種多様なタイプの靴を取り揃えています。ザッポス・ドット・コムに行けば欲しいものが見つかるというイメージが、多くの人をザッポス・ドット・コムに向かわせている要因かもしれません。 第三に、「We are a Service Company that happens to sell….(サービス・カンパニーであることが基本で、販売はその副業)」と謳い、24時間体制のコールセンター対応、無料翌日配送など、基本的なサービス・ポリシーの充実は勿論のこと、新規採用社員全員に2週間の「カスタマー・ロイヤルティ・トレーニング」の受講を義務付け、「顧客中心」の企業文化の育成に注力しています。65%のリピート購入率を誇るなど、顧客満足に関するザッポス・ドット・コムの実績は数値的にも立証されています。 成長著しい同市場には多くのプレイヤーがひしめき合っています。まず、ネット・オンリー企業では、業界第2位のShoebuy.com(シューバイ・ドット・コム)や1996年に設立されたオンライン・シューズ販売の先駆者、Onlineshoes.com(オンラインシューズ・ドット・コム)。また、大手アパレル・リテーラーのGapは、昨年、靴販売に特化したEコマース・サイト、Piperline.com(パイパーライン・ドット・コム)を立ち上げました。ファッション性の高い人気商品100ブランドを扱い、洗練されたウェブサイトで高級感を前面に押し出し、ザッポス・ドット・コムとは違う路線で消費者にアプローチをかけています。大手オンライン・リテーラーのAmazon.com(アマゾン)も自社サイトとは別に、シューズとバッグを専門に扱うEndless.com(エンドレス・ドット・コム)というサイトを2007年初頭に立ち上げ、ネット靴販売市場に攻勢をかけています。 2011年には58億ドル(5,800億円)に達すると予測されるオンラインの靴販売市場、差別化の鍵は、他社とは一味違う顧客エクスペリエンスの提供にあるようです。 関連ブログはこちらです。 『靴をオンラインで買う-Zappos.comにて』 ![]()
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