#13: 目指せ!健康ライフスタイル、オーガニックリテール市場の今
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![]() このオーガニック・ブームの波に乗って成長したのが、ホール・フーズ・マーケット(Whole Foods Market)とトレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)です。どちらもオーガニック/自然食スーパーマーケットとして知られていますが、 ![]() トレーダー・ジョーズはNeighborhood Grocery Stores(近所のグローサリー・ストア)と自ら謳っているだけあって、どちらかというと地域密着型の小型のスーパーマーケットという感じです。ここロサンゼルスではホール・フーズ並みの人気を誇りますが、ホール・フーズとの違いは、生鮮食品は店の隅に少しあるくらいで、ワインやグルメ・フードなど珍しい食品が彼らの主力になっているところです。また、その商品のほとんどがプライベート・ブランドで占められているというのもユニークなところです。アロハシャツを着た店員がなんともカリフォルニア発のリテーラーという雰囲気を漂わせますが、彼らのカスタマー・サービスの素晴らしさもトレーダー・ジョーズの大きな特徴の一つです。カリフォルニアを中心に店舗展開していたトレーダー・ジョーズですが、現在は全米20州に、250店舗以上を展開し、店舗規模はホール・フーズよりも全然狭いものの、ずっと高級だと思われていたオーガニック/グルメ食品を低価格で提供することで、オーガニックは高く庶民には手の届かないというイメージを変えることに成功したリテーラーです。 ホール・フーズ・マーケットやトレーダー・ジョーズの成長に着目して、ウォルマートやターゲットなどといったディスカウント・リテーラー、そして、従来型スーパーもオーガニック/自然食品の取り扱いに本腰を入れてきています。従来、オーガニック/自然食品は普通の商品より40%くらい割高に販売されてきましたが、これらの大手リテーラーはオーガニック/自然食品の価格格差を10%程度に抑え、これまでオーガニック/自然食品にあまり馴染みのなかった消費者層を取り込むことに注力しています。その防御策として、ホール・フーズ・マーケットは競合のオーガニック専門チェーン、ワイルド・オーツ・マーケットを買収し、価格の低下に踏み切ると宣言しています。 激変する競争環境の中で、ホール・フーズ・マーケットは正念場に立たされていますが、今後の差別化の鍵は価格だけでなく、他では得られない顧客エクスペリエンスの構築と提供にあるといえるでしょう。今日、ホール・フーズ・マーケットやトレーダー・ジョーズで買い物をする消費者たちは、ただ単にオーガニック/自然食品という商品の入手そのものを目的としているのではなく、ホール・フーズ・マーケットやトレーダー・ジョーズで買い物をすることによって得られる楽しさや驚き、あるいは「自分は特別」という自己充足感を求めているのだと考えられるからです。これらの顧客が価格の安さだけを求めてディスカウント・チェーンや従来型のスーパーに流れるとは考えられません。ホール・フーズ・マーケットやトレーダー・ジョーズなどオーガニック/自然食品リテーリングのパイオニアたちが、大手リテーラーの攻勢にどう立ち向かっていくのか、今後の展開から目が離せません。 関連ブログはこちらです。 『競争激化するグローサリー市場』 ![]()
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